巨漢

 

凄まじい体積の男が私の隣に立っていた。

こんな大男を見るのはいつぶりだろうか。

 

力士だろうか。もし力士でないならば何者だろうか。ただのデブにしてはありえない大きさだ。

いや、デブなどと呼べるはずもない。もはやそのような枠には収まらない。

 

太った男であることは確かであるが、もはや生物としてありえない大きさである。

 

突き抜けることは概念を破壊してくれる。

私はただのデブに、より一層憎しみが増すばかりである。