針の孔

 

静脈は言葉に左右され、全身に張り巡らされる。人の死に際して、踏みつけた金属の平行線は電光掲示板によって周知される。人々の慟哭は時代を包み、せせら笑いに涙を飲んで爆心地において、東西を臨み、黄昏の膝下に砂利を感じながら半円を描く。ミサイルが鼻先を擦り、肥満体の豚の腹を蹴たぐって臓物に顔を叩きつけながら親類縁者諸々に懺悔の念を伝えるべく、悪臭に塗れながらも頑張っています。タンスを引き出して中身を全て金に変換せすべく、吟味しつつ隣人には微量の薬物をお裾分けすることを先日伝え忘れ、刺激のあるアンモニア臭に病院を脳裏に浮かべ訪問を試みるも、既に時遅しで、渇いた老人は事切れていた。

完全なるは人間よりサルであって、太古より大いなる権力に刃物を振り叫ぶ中年の少年が過去を想い、突起に転ぶも千本の槍で貫かれ無様に死に果てるゴミをうず高く積みあげた人間の腐敗。